家の間取りや大きさが分かってきたら、その家にふさわしい構造工法を決めていきます。
どの構造にするかの選択方法としては地域の気候や風土に合っているか等さまざまな条件を考慮して決めましょう。
構造は家を支える大切なところでもあり家の基本的な性能の快適性・安全性・耐久性を決める重要な決断です。
それでは、それぞれの構造工法の特徴とメリット・デメリットをご紹介します。
住宅の構造
住宅の構造は大きく分けて3つあります。
- 木造(在来軸組工法・ツーバイフォー工法)
- 鉄骨造
- 鉄筋コンクリート造
この中で一番身近な構造は高温多湿な日本の気候や風土に合った木造になるでしょう。
3つの構造の特徴・メリット・デメリット
木造(在来軸組工法)
<特徴>
一般的な2階建て住宅に選ばれている構造工法です。
加工性に優れている木材を構造に使う汎用性のある伝統的な工法で、土台・柱・梁で骨組みを造り、筋かいや耐力壁をバランスよく配置する構造です。
<メリット>
- 木材は加工がしやすいので複雑な形状の敷地に合わせた建築も可能
- 設計の自由度が高く増改築もしやすい
- 木材の比重が軽いので扱いやすい
- 熱伝導率が小さく寒暖の影響を受けにくい
- 木材の温もりや木目の見た目や匂いがよい
<デメリット>
- 白蟻などの被害を受けやすい
- 施工精度が職人の能力による
木造(ツーバイフォー工法)
<特徴>
断面寸法が2×4インチや2×6インチの木材を主にして枠を造りその枠に構造用合板を釘打ちしてパネル化する工法です。
<メリット>
- 在来軸組工法に比べて工期が短い
- 施工がしやすく高い技術がなくても耐震性が確保できる
<デメリット>
- 耐力壁のバランスや量の考慮が必要なので増改築がしにくい
- 湿度に弱くカビ等で腐りやすい
鉄骨造
鋼材で柱や梁の構造部分を組み立てるので丈夫で長持ちします。
鉄骨系プレハブは大量生産が可能です。
鋼材の厚みや形により重量鉄骨造・軽量鉄骨造に分けられ木造構造に比べると費用はやや高くなります。
<メリット>
- 柱や壁のない大空間もできる
- 耐震・耐火性が高く耐久性に優れている
- 筋かいを必要としない
- 中高層住宅に適している
- プレハブ工法の場合はあらかじめ工場組立てる部分があるので工期が短い
<デメリット>
- 大型機材を使用するので狭い敷地や敷地に設置する道路が狭いと不向き
- 高温多湿の風土では錆がつきやすい
- 重量鉄骨の場合は地盤・基礎工事に費用がかかる事もある
鉄筋コンクリート
<特徴>
強固な構造で耐久性に優れていてコンクリートを流し込む型枠しだいで自由な設計ができます
<メリット>
- 耐震・耐強風雨・耐火性が高い
- 遮音性に優れている
- 設計の自由度が高く何層にも建てられ曲線も表現できる
<デメリット>
- 建物が重いので堅牢な地盤が必要
- ひび割れが発生しやすい(ひび割れから雨水が入り込むと鉄筋が腐る)
- 水・湿気に弱い
- 遮音性が高いので室内での反響が気になる
- コンクリートを乾燥させるため工期が長くなる
このように、それぞれのメリット・デメリットを見て、ご自分の家造りにふさわしい構造工法を考えてみましょう。
なお、この3つの構造材のそれぞれの良い所を取り入れた混構造とする建て方もあります。
構造工法選びで注意する事は敷地の地盤・環境・間取りの希望から判断します。
また他の視点からの検討も必要で、特に費用面はよく検討しましょう。
同じ建坪でも建物の価格はもちろん地盤工事や基礎工事の費用も違ってくるので注意しましょう。
コスト面と増改築のしやすさですと①木造②鉄骨造③鉄筋工クリート造の順番になり、耐久性ですと①鉄筋コンクリート②鉄骨造③木造となります。
また業者により木造構造しか行っていない工務店や建設会社・ハウスメーカーもあるので、構造工法により依頼業者の検討も行います。
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