低価格で注文住宅を建てられるローコスト住宅。
無理のない範囲で、しかも自分好みのマイホームを建てることができます。
ただ、あまりに安いのもそれはそれで不安なもの。どんなふうに選べば安心して任せられるハウスメーカーを見つけられるのでしょうか?
そこで今回は、特に人気の高いローコストハウスメーカー6社を厳選して紹介。
また、ローコスト住宅を建てる際の注意点や気をつけたいポイントについても合わせて解説します。
ローコスト住宅を建てる際のポイントは?
具体的にハウスメーカーをチェックする前に、後悔しない家づくりのために抑えておくべきポイントについて確認しておきましょう。
なぜローコストで家を建てられるのか?
一番気になるのが安さの理由です。低価格なのはありがたいことですが、理由がわからないのは不安です。
住宅の強度や安全性に問題はないのでしょうか?
ローコストハウスメーカーでは、材料の一括仕入れを行うことで仕入れ価格を抑え、低価格を実現しています。
注文住宅というくくりではあるものの、仕様や規格をある程度まで統一し、同じ材料や部品を使って家を建てられるように工夫しているのです。
ローコスト住宅でない注文住宅と比べると選択肢の幅は狭くなりますが、その分価格をぐっと抑えることが可能になっています。
安全性や強度については、高級志向のハウスメーカーに比べると流石に劣る部分はありますが、法律の範囲で問題のないしっかりとした材料を使用しています。
最近では機能性を重視するローコスト住宅も増えており、一般的な注文住宅にも引けを取らない性能のものも登場しています。
坪単価に注意
ローコスト住宅や住宅価格を比較する際に気をつけて欲しいのが、坪単価という存在です。
坪単価は住宅価格を床面積で割ることによって求められるもので、その家を建てるのに一坪あたりいくらかかっているかを知ることができます。
面積の違う家の価格を比べたり、同じ広さの家の価格を比較したりできるため、値段の参考にする人が多いです。
しかしこの坪単価、実はハウスメーカーによって算出方法にばらつきがあります。
基本的に「住宅価格」としてカウントされているのは、建物をつくる費用だけ。門や塀などの外構工事、カーテン取り付け工事、屋外の給排水管工事、その他のオプションは含まれていません。
何が標準仕様で何がオプションになっているかはハウスメーカーによって異なるため、全く同じ仕様の住宅を建てても、住宅価格は会社によって違ってしまいます。
同じように、家の面積についてもハウスメーカーによって差異があります。延べ床面積を採用することが多いのですが、中には玄関ポーチやベランダ、吹き抜けなども含めた面積で計算している場合もあります。
このように、坪単価というのは曖昧な数字でしかありません。価格を比較する際は、坪単価ではなく見積もりを基準に行うようにしてください。
オプションのつけすぎに注意
ローコスト住宅を建てる上でもう一つ注意が必要となるのがオプションです。
ローコスト住宅に限らず、注文住宅はオプションをつければつけるほど価格が高くなっていきます。
予算の範囲内で抑えるためには、できるだけ少ないオプションで自分の要望が実現できるハウスメーカーを選ぶことが大切です。
特にローコスト住宅の場合、価格を抑えるために標準仕様がシンプルに設定されていることが多いです。
オプションによって家をカスタマイズしようとすると価格が跳ね上がる原因になるため、あらかじめどんな設備や仕様が標準になっていて、どこまでがオプションになるのかよく確認しておきましょう。
たくさんのオプションをつけなければ自分の理想が実現できそうもないという場合は、ローコスト住宅ではなく、もう1ランク価格帯を上げたハウスメーカーを探すことも視野に入れてください。
無理にローコスト住宅で建てるよりも、価格が抑えられることがあります。
人気のローコストハウスメーカー6社を紹介
タマホーム
全国に広く展開している有名なハウスメーカーです。
ローコスト住宅の中では珍しくCMも頻繁に行っており、非常に知名度の高い会社です。
住宅価格は30~35坪という平均的な広さで平均1,600万円。
価格の安さもあって、20代でタマホームを建てる人も多いです。
工法は日本の伝統的な建築方法である木造軸組工法。
タマホームは価格が安いだけでなく、品質の良さや保証の手厚さも魅力的なハウスメーカーです。
国産材使用率は70%ほど。
全国の国産材使用率は3分の1ほどですから、いかにその比率が高いかがよくわかります。
近年広まっている長期優良住宅にも対応。
しかも9つの認定基準のうち、6項目が最高等級となっており、ただ長期優良住宅に認定されているというだけではありません。
ローコスト住宅で手薄になりがちな保証も充実しており、地盤10年保証、住宅瑕疵担保責任保険、シロアリ10年保証などがあります。
また、定期点検と有償のメンテナンス工事を受けることで、住宅の保証を最長60年まで延長することが可能です。
安さはもちろん、安心や信頼を求める人にも人気のあるローコスト住宅です。
デメリットを挙げるとすれば、やや強引な営業マンが多い傾向にあることでしょうか。
営業や打ち合わせにかける時間も比較的短く、じっくり考えたい人には煩わしいスタイルのハウスメーカーではあります。
アイフルホーム
タマホームについで知名度のある有名ローコストハウスメーカーです。
フランチャイズ方式を採用することで、全国の工務店と協力し、広範囲で注文住宅を取り扱っています。
フランチャイズ方式で気になるのが、各支店間で技術力や対応に差があること。
ただ、ローコスト住宅の場合規格や工法が統一されているため、工務店による技術力の差は生じにくい傾向にあります。
念の為、評判をチェックする際は、自分の地域のものを見るようにしておくと安心です。
住宅価格は一般的な広さで1,800万円ほど。
タマホームよりは少し高めの価格帯にはなりますが、木造軸組工法に金属金物を使用した工法を採用するなど、耐久性に優れた家づくりを行っています。
ローコスト住宅でフランチャイズ方式ながら、保証が充実しているのも特徴です。
基本的な保証期間は10年ですが、10年の無償点検が終了した後、有償の定期点検を受けることができます。
家を安心安全な状態に保つためには定期点検が欠かせません。
家の勝手をよく知るプロの目でチェックを継続してもらえるのはありがたいですね。
アイダ設計
明確な価格設定と超ローコストがうりのハウスメーカーです。
日本全国で注文住宅を請け負う、大手ローコストハウスメーカーの一つです。
「777万円の家」などインパクトのある商品でも有名です。
アイダ設計の特徴の一つが、狭小住宅が得意であること。
限られた予算で家を買うとなると、どうしても小さな土地になってしまいます。
しかし狭小住宅の設計にはノウハウが必要で、規格に合わない臨機応変な対応を求められることも珍しくありません。
そのため、ローコスト住宅の中には、狭小住宅を苦手としていたり、取り扱わなかったりしている会社もあります。
しかしアイダ設計では、狭小住宅の場合でも設計料を多く取ることもなく、他の家と同じように対応してもらえます。
まさに庶民の味方と言える存在です。
価格はもちろん、性能や保証面もしっかりカバーしています。
木造住宅ではありますが、震度7の地震にも耐える設計です。
使用されている木材は自社工場で加工し、検査したもののみと、木材にもこだわっています。
その他にも、第三者機関による検査や自社で大工の育成を行うなど、施工品質の工場に力を入れています。
保証は有償点検の継続を行うことで最長35年まで延長可能で、大切な我が家を快適に保つことができます。
アエラホーム
低価格ながら高機能な住宅を提供しているローコストハウスメーカーです。
展開範囲は東北から九州までと広く、注文住宅の他、リフォーム事業も手がけています。
省エネ住宅に必須の高気密校断熱住宅で、冷暖房にかかる光熱費を大幅に節約できます。
空調システムには全熱交換換気システムを採用しており、温度だけでなく湿度も適切に保ちます。
断熱材は内側の吹付けと外張り断熱の二重断熱で、夏は涼しく冬は温かい快適なマイホームを実現できます。
アエラホームの省エネ性能はハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジーを受賞していることからも明らかで、ローコスト住宅ながら高機能な住宅手に入れることができます。
保証には、第三者機関の瑕疵保証、10年後の無償点検、有償の定期点検継続によるメンテナンス継続などがあり、建てた後も長く家を大切にしたいという人にはおすすめのハウスメーカーです。
レオハウス
東北から九州までの幅広いエリアでローコスト住宅を取り扱っている会社です。
自由度が低いと言われることの多いローコスト住宅ですが、レオハウスではフリー設計のプランや低価格のプラン、ペットと生活するプランなど、幅広いラインナップの中から好みのものを選ぶことができます。
レオハウスの住宅はシンプルなデザインの木造住宅で、規模の大きなローコストハウスメーカーとしては珍しく、じっくり打ち合わせができるのが魅力です。
高級感のあるスタイルや、華やかさを求める人にはあまり向いていませんが、じっくり家に向き合い、自分にあったシンプルな住まいを目指したいという人には人気があります。
ユニバーサルホーム
全国展開している大手ローコストハウスメーカーの一つです。
宣伝費を抑えることの多いローコスト住宅には珍しく、全国各地にモデルハウスがあり、実物を見学することができます。
人気の理由の一つに、ユニバーサルホームが採用している地熱床暖房システムがあります。
床暖房というと高級そうなイメージがありますが、ローコスト住宅でも対応しているハウスメーカーはいくつかあります。
ユニバーサルホームではその中でも、家計と環境に優しい地熱床暖房を採用。
底冷えしがちな一軒家の1階をまんべんなく温めることができます。
また、外壁材には断熱性と耐久性に優れたALCを利用しています。
工法は木造建築に金物を使用したハイパーフレーム工法で、制振装置を合わせて採用することで、非常に地震に強い家づくりとなっています。
大手ハウスメーカーでも採用されているような仕様や設備もあるため、ローコスト住宅の中ではやや高めの価格帯ではありますが、見た目はシンプルでも機能性と安全性に優れた家を建てたいという場合に向いています。
保証については、10年後の無償点検の後、有償の定期点検を続けることで最大30年まで延長可能です。
特徴を掴んで後悔しないローコスト住宅選びを
ローコスト住宅はただ安いというだけでなく、各社がそれぞれの強みを持った家づくりを行っています。
価格の都合上、機能や性能・設備が絞られるため、普通のハウスメーカーよりも会社ごとのカラーがはっきりと別れています。
そのため、思い通りの家づくりをするためには会社選びがとても重要になります。
カタログを取り寄せたり、見積もりを比較したりしながら、自分に一番あったローコストハウスメーカーを探してみてください。