これから住宅を購入することを検討している方、どんな家に住みたいか、どのような家を建ててもらうかを明確に既に考えている方も多いでしょう。
もちろん、マイホームを手に入れられる人もたくさんいらっしゃいますが、住宅ローンに通らないせいでマイホームの夢を諦めざるを得ない人もたくさんいます。
また、住宅ローンの審査って難しそうだな、と思っている人も多く、端から住宅を購入することを諦めてしまっている方も結構いるようです。
住宅ローンの審査に通過する確率も開示されている訳ではないので性格にはわかりませんし、いろいろと調べてみると審査に落ちてしまう人は申し込んだ人の中で1割にも上ることも分かり、やっぱり自分自身には難しいのではないか、と思われるのでしょう。
また、住宅会社に相談したら止めておけと言われてしまい、審査に通る自信を失ってしまった方も。
しかし、何も最初から諦める必要はありません。住宅ローンに通るか通らないかだけでマイホームを諦める必要はありませんし、ある程度の審査基準を知ってその対策をきちんと講じておけば、審査通過も難しいものではありません。
これからいくつかの審査基準を紹介いたしますが、中には絶対に通過しない条件というものもあります。
四つほどありますが、最低でもその条件を満たしてしまわないように注意して、それ以外の点もある程度対策をしておけば、住宅ローンの審査通過からのマイホームの夢も決して叶えられないものではありませんよ。
●住宅ローンの審査基準を紹介
さて、では早速住宅ローンの審査基準を紹介したいと思います。
一般的にはほとんど公開されてはいないもので、細かく分けると審査基準は20以上はあります。
けれども、審査に落ちてしまう可能性がある、11個の審査基準は、かなり重要なものであり、なおかつ自分自身でもうまくコントロールできるものです。
では、早速紹介していきましょう。
・年収
まず一つ目は年収です。
開示されてはいないのですが、銀行などの金融機関ごとに住宅ローンの下限年収というものが定められています。
この下限年収を下回ってしまうと、そもそも審査をするに値しないとも言われています。
この下限年収を知ることはできませんが、一般的には都市銀行が高めに設定されており、地方銀行は低めに設定されていると言われています。
なので、年収がちょっと低いかもと思うのであれば、都市銀行は避けて地方銀行に審査を持ちかけると、通過する可能性が高くなるのでおすすめです。
・年齢
次は年齢です。住宅ローンには加入時年齢と完済時年齢という二つの年齢での制限が設けられています。
どちらも名称をみればすぐに想像がつくでしょう。
加入時年齢には下限が設けられており、こちらは満20歳がほとんどです。
とはいえ、20歳から住宅ローンを組めるほど年収がある人はほとんどいないと思います。とりあえず20歳以上であれば条件を満たすと覚えておきましょう。
加入時年齢にはさらに上限もあります。65歳から70歳に設定されていることがほとんどですが、こちらは金融機関ごとに違いがあります。
上限年齢は調べられますし、教えてももらえますので確認をしておきましょう。
完済時年齢は、最終返済日を迎える時点の年齢のことであり、ほとんどの金融機関では80歳としています。
なので、50歳以上の方が住宅ローンを組む場合には、50歳未満の方が住宅ローンを組む際と比べると、返済期日が短くなり、さらに一カ月当たりの返済額が上昇して、後述する返済負担率が高くなります。
どちらの年齢制限も満たさずに住宅ローンを組むことはほぼありえないことだと思いますので、その点ではこちらは審査に通過するか否かという視点で見るとあまり大きな影響を及ぼす要素ではないと言えるでしょう。
一つ言えることは、住宅ローンを借りるのであれば早ければ早いだけいいというだけですね。
・返済負担率
返済負担率は聞きなれない言葉でしょう。
噛み砕いて言えば、収入の内で返済額がどれくらいになるかです。収入に対する返済額の割合ですね。
月収100万円の人が10万円の返済額の住宅ローンを借りた場合は、10%、月収50万円の人が10万円の返済額の住宅ローンを借りた場合は20%というような具合です。
この返済負担率ですが、住宅ローンの審査では20%から35%の間でボーダーラインが定められています。
30%以下でなければ審査に通らない、20%以下でなければ審査に通らないなど設定されています。
こちらは必ずクリアしておかないと住宅ローンの審査には通りません。そのために、借入する住宅ローンを決定する際には自分の年収からどれくらいの返済額がベストになるかを考え、多少の余裕を持てるような返済額になるようにすべきだと言えるでしょう。
・健康状態
なぜ健康状態が条件になるのか、と不思議がる人も多いと思います。
ただ、健康状態はかなり重要な要素です。
住宅ローンの多くは団体信用生命保険、いわゆる団信への加入を絶対条件としている所が多いのです。
団信は住宅ローン専用の生命保険であり、健康状態が良くないとほぼ加入できないようになっています。
加入が絶対と条件づけている住宅ローンは結構あり、それ以外の審査基準は全て満たしているのに、団信へ加入できないばかりに審査に落ちてしまうということがあるほど、重要視されています。
そのため、住宅ローンを借り入れる際には自分自身の健康状態にも気を配る必要があると言えますね。
団信への加入を義務付けている住宅ローンもありますが、逆に義務付けていない住宅ローンも、フラット35を初めとしていくつかあります。
もしも、健康状態に問題があったり、心配だと言う方であれば、フラット35などの利用を検討することをおすすめします。
・勤続状況
勤続状況は、自身の勤める会社と自分自身の状況の内、三つの要素を見られます。
一つは、勤めている会社の経営状況です。
良ければ問題はなく、悪ければ審査に通り辛いです。
二つ目は、自身の勤続年数です。1年以上3年未満くらいだと審査に落ちてしまう可能性が高いです。
最低でも3年以上は勤めていると住宅ローンの審査に通過し易くなると言えますね。
三つ目は正社員かどうかです。
こちらは雇用状態もそうですが、年収にも大きな差があるので、正社員の方が圧倒的に有利です。
いずれにせよ、利用者の収入が減る、あるいは無くなる可能性がありますので、悪い条件を満たしていると審査が厳しくなります。
・現在の借入状況
住宅ローン以外にも、自動車ローンやカードローンなどを利用していると審査に落ちてしまうと良く言われていますね。
ただの噂話ではなく、これは事実です。影響を及ぼすのは前述した返済負担率です。
住宅ローン以外にも借入があると、その借り入れ分の返済額も返済負担率として計上するような仕組みがとられているのです。
前述した通り、返済負担率にはボーダーラインが設定されており、いくつもの他のローン、借入があると返済負担率が増してしまい、ボーダーラインを越えてしまうと住宅ローンの審査に落ちてしまうというわけです。
勘違いしがちですが、ボーダーラインさえ越えることがなければ、審査自体は通過します。
他に借入があれば無条件で審査に落ちるのではなく、毎月ごとの返済額次第で審査に落ちてしまうと正確に認識しておきましょう。
もちろん。他にローンが無いことに越したことはありませんが、すぐに無くすことも無理な話です。
なので、他にローンがある方は、住宅ローンの返済額を少な目に調整したり、総額を抑えるような工夫を凝らすといいでしょう。
・過去の借入状況
他にもローンを抱えていることは現状の借入状況でしたが、もう既に返済をし終えた過去の借入状況も、住宅ローンの審査に影響を及ぼします。
とはいえ、何の問題もなく返済を済ませていれば気にする必要はありません。
問題となるのは、自動車ローンやカードローンなどの借入をしている最中に、返済に延滞があった場合です。
お金の工面に困って仕方なく延滞をしてしまった、ついうっかり返済日を忘れて延滞してしまった、意図的に返済を延滞してしまった、などなど様々な理由や事情があっての延滞もあるでしょう。
しかし、審査を受けるにあたってはどのような事情があっても一律、「延滞の事実があった」という判断が下されます。
また、それだけではなく水道料金や電気料金、携帯料金などの払い忘れも延滞として扱われ、これらでも不利になってしまうことがあります。
もう既に延滞をしてしまった方は取り返しがつきませんが、これから延滞をしてしまわないようにするだけでも、多少は効果はあるはずです。
うっかりでも延滞をしてしまわないように、忘れないうちに自動引き落としに変更しておくのをおすすめします。
・消費者金融からの借入
最近は気にしないネットバンキングや地方銀行も増えてはきましたが、都市銀行などでは、消費者金融からの借入がある場合には、審査に不利になってしまうことがあるようです。
どちらかといえば都市銀行だけといった具合で、少数派ですのであまり気にする必要はありませんが、都市銀行から借りようと思っている方や、今現在消費者金融から借入をしている方は注意しておきましょう。
・物件の担保価値
住宅ローンは、現在の自分の持っている資産では住宅を買えない人が、お金を借りて、長い年月をかけて利息とともに返済をしてくものです。
ですが、無条件で借りられるわけではなく、住宅ローンではこれから購入する住宅を担保として取扱います。
もしも住宅ローンの返済が出来なくなれば、その家を売って返済の足しにしますよ、というわけです。
住宅ローンを組むと確実に住宅を担保に取られることがあるのですが、住宅も全てが一律の価値ではなく、建物の面積や仕様、所在地などの要件次第で価値が上下します。
かなりのオプションなどを付けてもらって、多額のお金が入用になり、それを住宅ローンとして借りようとしても、必要な要件をほとんど満たしておらず、これから建てる住宅の価値が、住宅ローンと比べて価格が劣ってしまうようなケースだと、担保にとっても価値が無いと判断されて、融資がされないようになります。
このようなケースがあることを鑑みて、これから建てる住宅の価値がどれくらいになるのか、またはその他のオプションでお金の無駄遣いをしないように注意すべきだと言えますね。
・納税の状況
言う必要もないほどに当然のことだと思いますが、納税を怠っている方は住宅ローンの審査には絶対に通りません。
調べればすぐに分かることですし、判明すれば信用を大きく損なってしまいます。
もしも、税金の滞納があると言う方は一日でも早く清算するようにしましょう。
他の条件がどれだけ良くても、納税をしていないと審査には絶対通らないほどの重要事項ですので、覚えておきましょう。もっとも、滞納している人も珍しいと思います。
・入居人数
こちらは審査に通り辛くなる、というよりは審査に通過し易くなる条件です。
夫婦のみよりも、一人でも入居者が多くなる方が審査が有利になります。
劇的に通過率が良くなるわけではありませんが、一人よりは二人、二人よりも三人、四人の方が有利であるのは違いありません。
なお、まだ結婚をしていない婚約者であっても家族同然に扱われます。
住民票取得などの手間はありますが、入籍前であっても心配は無用だと覚えておきましょう。
・住宅ローンは比較的通り易い
さて、以上のように条件を11個挙げてみました。
いくつかの条件は絶対に満たす必要はありますが、そもそも住宅ローンは借入先が一つではありません。
都市銀行、地方銀行、ネットバンキング、その中でさらに数種類の銀行があり、銀行ごとに違う住宅ローンのプランが組まれています。
銀行も住宅ローンの種類も多種多様ですから、一つの住宅ローンの審査に落ちたとしても、別の銀行の住宅ローンの審査を受ければ通過する可能性は十二分にあります。
他の銀行では絶対に落ちる条件が、他の銀行では緩いということもあります。なので、いくつかの銀行の審査を受ければほぼ必ず自分が通過できる住宅ローンは見つけられるのです。
また、昨今のマイナス金利の影響もあって、今の銀行はお金を貸し付けたいと思っています。
さらに言えば、マイナス金利の影響で借入のし易い住宅ローンを新たに作っている銀行もありますので、いろいろと調べてみて、積極的に行動してみてください。
マイナス金利が適用され、銀行の種類も増えている今が、住宅ローンを借りる大きなチャンスですよ。
住宅ローンの審査に通過するために
住宅ローンを借りたいのであれば、とにかく積極的に、複数の住宅ローンの審査を受けることが重要です。
動かなければ借りられるものも借りられませんし、何よりも、住宅ローンの審査の中では加入時年齢が一番重要視されています。
ある程度の年収があれば、20代の内からでも審査を受けた方が有利なのです。
なお、複数の住宅ローンに申し込むのがシンプルかつ的確な手段なのですが、銀行の中には個人信用情報を事前審査の時点で取得するところもあります。
個人信用情報の取得回数が増えると、その後の審査に悪影響がありますので、そのような銀行は避けた方がいいでしょう。
なお、個人信用情報を事前審査の時点で確認しない銀行はネット銀行に多いので、ネット銀行であれば比較的安心して審査の申し込みができます。
・ネット銀行の住宅ローンは使える?
若い世代にはそれほどいないと思いますが、ネット銀行に不安を抱いている人も上の世代には結構いると思います。
ネット銀行は倒産しそう、破綻しそう、などと不安がっている人も多いのですが、はっきり言うと杞憂です。
ネット銀行の大手は楽天銀行、ソニー銀行、イオン銀行など、大企業が運営しており、それらの企業はそう簡単に倒産はしません。
むしろ、銀行のみでやっている都市銀行や地方銀行の方が、破綻の危険性は高いと言えます。
また、ネット銀行は破綻しにくい理由がもう一つあります。
企業融資をあまりしていないことです。
銀行の破綻などは聞かなくなってはきましたが、都市銀行や地方銀行などは大口顧客獲得のために、企業融資を積極的に行っています。
企業融資は企業が傾けば銀行も大きなダメージを負ってしまうので、リスクもそれなりにあります。
そのリスクが無い分、ネット銀行は比較的安心だと結論付けられますね。
・おすすめの住宅ローンはどれ?
ちなみに、ネット銀行の中でもおすすめの住宅ローンは、「じぶん銀行住宅ローン」だと言われています。
じぶん銀行は、auと三菱東京UFJ銀行、メガバンクと大手通信会社の運営しているネット銀行ですので、信用度の高さはピカイチです。
さらに、じぶん銀行住宅ローンは、低金利、ネットのみの手続きが可能、無料でガン保証が付けられる、auユーザーであれば、他にも特典を付けられるなど、おすすめできるポイントがいくつもあります。
ネット銀行で住宅ローンを検討してもいいというのであれば、じぶん銀行を候補の一つとして考えておくのがおすすめです。
今は通らなくとも……
比較的審査に通過し易い住宅ローンではありますが、まだまだ審査に通過する自信がない、
住宅を購入したいとは思っているものの、まだまだその時ではない、と思っている方もいらっしゃるでしょう。
早ければ早い程いいとは言いますが、できればある程度準備をしておき、今は通らなくとも将来に審査を受けた時に、審査に通過し易くなるように対策を取っておくに越したことはありません。
その準備として4点を挙げておきましょう。
一つは借入を減らしておくことです。
自動車ローンなどの大口の借入は難しいかもしれませんが、カードローンなどの小口の借入であれば、節約などを心がけて一日でも早く完済しておくといいでしょう。
もちろん、減らすだけではなく住宅ローンを借り入れるまでに新たに増やさないように心掛けるのもおすすめです。
二つ目の準備は、遅延や延滞を無くすことです。
借入はもちろんのこと、ローンを組んでいない人であっても、水道料金や携帯料金などの日常的な支払いで延滞をしてしまわないように心掛けましょう。
三つ目は、申し込む前には転職をしないことです。
上述した通り勤続年数がかなりの影響を及ぼします。
住宅ローンを申し込む直前に転職をするのだけは止めた方がいいでしょう。
逆に言えば、今の会社に将来性がない、勤め続けるのが厳しいのであれば、早めに転職を済ませて、数年後、最低でも3年後の住宅ローンの審査に備えておくのがおすすめだと言えます。
四つ目は、きちんと税金を納めておくことです。
当然のことですね。信用のためにも必ず納税はしましょう。
これから住宅ローンを組もうと考えている方でも、上述したことをきちんと積み重ねておくことが、より審査に通過し易くするために大切なことです。
もっとも、一番大切なことは自分自身で審査に通過しないと諦めてしまわないことです。
住宅ローンの選択肢もたくさんありますし、そもそも通過しないのが1割程度ということもあって、絶対に通過しないということはほぼあり得ません。
いくつかの悪条件が重なっている場合や、どうしても借りられない条件を満たしていることもありますが、それらを解消して準備することもできます。
また、審査に落ちたとしても落ち込む必要はありませんし、落ちてダメならそこから理由を考えて、改善していけばいいのです。
自分で諦めず、なにより行動することが一番重要です。
まとめ
住宅ローンの審査に通る要素などは分かっていただけたかと思います。
なによりも、自分自身で諦めず、複数の住宅ローンに審査を依頼すれば、多少の条件が悪くとも、審査に通過することは十分にありえます。
なので、審査を受ける前から諦めずに、とにかく行動してみましょう。