家を建てようとしている人達にとって、最大の心配事といえばお金ですね。
土地がある場合と土地が無い場合とでは600万円ほども値段の違いがあり、平均的には3500万円くらいがマイホームを建てるのに必要な金額と言われています。
土地と建物を購入するとなると多額になり易く、3800万円から3900万円ほどが相場であり、都市部になれば5000万円をも越えるケースがあるようです。
これだけの多額の支払いをキャッシュではできませんので、基本的にはマイホームを手にするために住宅ローンを利用されることでしょう。
その住宅ローンの一つであり、利用者が最も多い住宅ローンが「フラット35」と言われる住宅ローンです。
多くの人に選ばれる「フラット35とは」
端的に言えば、長期間の固定金利で借りられる住宅ローンのことです。
期間は最大で35年で、しかも支払いが終わるまで金利が変わらないというので人気なんですね。
民間の金融機関と住宅融資支援機構が協力し合って、長期間の固定金利を実現したというもので、住宅融資支援機構は全額政府の出資によって発足した独立法人でもあり、信用度も高めでしょう。
ただそれだけで選ばれているというわけではありません。選ばれている最大の理由はフラット35が持っている6つのメリットがあるからです。
月々の返済額の負担が少ない
長期間の返済ができることでピンときている方も多いでしょうが、長期間で借入ができると毎月の返済額が減少します。
当然のことですね、年数分の月数で元金を割るのですから、短期間よりも長期間の方が返済額は減ります。
長期間の返済によってその分だけの利息が発生するという側面もありますが、日本は生涯雇用を原則としているので、長期間の住宅ローンとは相性が良く、返済がし易いのです。
住宅ローンを含めた人生計画が立てやすくなる
こちらは固定金利による、毎月の支払額が変らないことによって受けられるメリットですね。
人生でこれから起こる様々な出来事、イベントに際してはまとまったお金が必ず必要になります。
まとまったお金を捻出するときに、毎月の返済額が変動するとそれも上手くいきません。変動金利の場合は格段に金利率が倍増してしまう可能性もあり、お金が必要なときに限って返済額が増加してしまう可能性もあり、このような不確定要素があると不安で不安で仕方ないと思います。
このような不安をなくせるだけ、固定金利と言う点は大きなメリットだと言えますね。
保証料がない
保証料とは、金融機関によっては用意しているお金のことです。
保証料は、住宅ローンが原則として土地代金と建物本体、それから付帯工事の費用のみしか借りることができず、一部の家を建てる際の諸費用、土地の購入に必要な諸費用が自己資金として支払わなければならないと決まっています。
その自己負担しなければならない費用に、住宅ローンの保証料が含まれており、それを金融機関が求めてくることがあるのです。
しかし、入居後のためにも自己資金は使わない方が良く、この保証料が大きな負担となることもあります。
十数万円にも登ることもあるので、これが無いと言う点も大きなメリットの一つだと言えますね。
繰り上げ返済に手数料が発生しない
繰り上げ返済は、借入をする借主の最大の味方ですね。
まとまったお金があり、余裕があるときに繰り上げ返済をすることで、元金を減らすことができます。
元金が減っても、支払額は次回以降も当初に決めたものと同じですので、繰り上げ返済はやればやるだけ借主が得をします。
しかし、多くの住宅ローンではこの繰り上げ返済に手数料を発生させる仕組みにしています。しかも1万円から3万円と多額の手数料を取ることもあり、これだけ手数料を取られるなら、と余裕があってもやろうとしない、出来ないこともあります。
フラット35では手数料はゼロ円です。
なので繰り上げ返済は条件さえ満たしていればやり放題で、積極的に元金を減らして、返済を楽にすることができるのです。
審査に通過し易く、保証人も要らない
フラット35は保証人が必要でないばかりか、銀行などが用意している住宅ローンと比較すると、審査に通過し辛いと言われている個人事業主や自営業の方でも審査に通り易いという性質も持っています。
それに加えて銀行カードローンよりも多額の借入ができることもあるので、銀行で借入がし辛い、審査が厳しいと言う人にはフラット35はまさにうってつけと言えるのです。
団体信用生命保険の加入が義務付けられていない
住宅ローンを借りる際には、債務者に万一のことがあったときに備えて、団体信用生命保険に加入することが、銀行が用意しているものでは確実に義務付けられています。
フラット35では義務付けられておらず、任意です。
もちろん、加入するに越したことはないのですが、加入者が若く、健康に得に問題が無い、喫煙をしていないというようなケースであれば、団体信用生命保険以外で、内容も似通った生命保険に加入した方が安くなるケースがあるのです。
フラット35が選択肢を用意してくれていると言う点も評価できますが、それ以上に加入が義務付けられていると、健康状態によって加入に可否が問われる団体信用生命保険では、加入が認められないこともあり、それが原因で住宅ローンの審査に落とされることもあります。
貰い事故のような審査落ちが発生しないということも一つのメリットですね。
フラット35にはデメリットもある
メリットもあれば当然デメリットもあります。表裏一体のものですから、デメリットについても知っておいた方がいいでしょう。
金利率は比較的高め
金利率が変動しないフラット35は、変動金利の住宅ローンと比べると比較的高めに金利が設定されています。
その分、金利が安定しているという上記に上げたメリットもあるのですが、変動金利であれば金利が下がることもあり、若干損をしてしまうこともあるのです。
しかし、変動金利側にも金利が上昇する恐れがあり、これが大きなデメリットとなることもあります。
いずれにせよ、得をするか損をするかは時間が経たなければ分からないことですので、安定を選びたいと言う人にとってはあまりデメリットには感じないかもしれませんね。
金利の変動が無い
上記に挙げた通り、フラット35は固定金利で、金利率の上下は起こりません。
他の変動金利の住宅ローンを選んだ際には、金利率の減少が起こり得ますが、フラット35にはそれがないということになります。
しかし、ここでも散々触れて来ましたが、安定こそが最大のメリットであると考えている人にとっては、あまり気にならないことでしょう。
繰り上げ返済に条件がある
メリットとして紹介した、やり放題の繰り上げ返済ですが、実は少し面倒な条件があります。
その条件は繰り上げ返済の最低額が決められている事です。
他の住宅ローンでは手数料こそかかるものの、1円からの繰り上げ返済を可としているのですが、フラット35の場合には最低金額が10万円と決められており、10万円以下の繰り上げ返済はできないことになっているのです。
数万円のちょっとした余裕が出来たからそれを繰り上げ返済に当てようと思っていてもそれができない、という言い方をするとデメリットに思えるでしょう。
しかし、逆に手数料を支払っても数万円しか返済できない他の住宅ローンの繰り上げ返済と比べると、わざわざ手数料を支払ってまでしたいとは思えませんし、10万円くらいを貯めてから繰り上げ返済を行えば、特に問題もありません。
こちらのデメリットも、見方や考え方次第でデメリットに感じられることもある、という程度のものですね。
条件を満たしていないと審査を受けられない
フラット35は、審査を受けるためには条件を満たしていなければなりません。多少複雑ではありますが、簡単にまとめると3つに絞れます。
一つは、床面積が70㎡を超える一戸建て住宅または床面積30㎡を超えるマンションという条件、二つ目が、住宅支援機構が定めた技術基準に適合した住宅であること、三つ目が土地取得費を含む住宅の建設費、または購入額が1億円以下となる住宅、というものです。
これらを満たさなければ審査を受けることですらできないのです。
強く言えばそうなりますが、実はそこまで気にする条件でもありません。
これらの条件は普通に住宅を建てれば自然と満たすものであり、小さすぎる、大きすぎる家を建てたいと思っている人でなければ、この条件は気にする必要が無いのです。
金利を低めに抑えるために自己資金が必要
さて、最後のデメリットですが、フラット35では、住宅取得に必要な資金の9割以下の融資でなければ、金利が上がってしまうというものです。
9割以下にできれば金利が下がるのですが、この上下の幅がかなり大きいのです。
つまりは、1割分は自己負担をしないと、フラット35での安めの金利にはならないのです。
この1割部分は、土地代や住宅取得費にあたりますが、それに加えて住宅ローンでは負担できない諸経費分も自己負担のために用意しなければならず、意外と自己負担金が大きくなるのです。
住宅も土地や建物を合わせると数千万円にも登りますので、最低でも数百万円は自己負担しないと、条件が悪くなるので、こちらは大きなデメリットになると言えるでしょう。
まとめ
さて、以上がフラット35についてです。
メリットもたくさんあり、デメリットもいくつかありますがデメリットの多くは人によってはあまりデメリットには感じません。
けれども、自己負担が大きくなるかもしれないというのは大きなデメリットとなるので、自分がどれくらいの金額まで自己負担ができるかによって、フラット35を利用するかどうかを判断した方がいいでしょう。
しかし、おすすめの住宅ローンには違いありません。
もしも自分の求める住宅ローンに、フラット35が近ければ選んでみるといいでしょう。
もちろん、他にもいい住宅ローンはありますし、どの住宅ローンが自信に合っているかは自分で判断すべきですので、ただ単におすすめされたからという理由ではなく、様々な要素を挙げていき、いろいろと比べながら選択するように心掛けましょう。
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